木更津物語 序章 その1

 それは、ある平凡な日のことだった。晴れわたった空に雲が一つも無かったことだけははっきり覚えている。
 その日、僕は通っているごくごく普通の高校の終業式に行っていた訳である。その帰り道のこと、僕はなんだかよくわからない形をした、プニプニしたものを見つけた。モミモミしてみたり、ポンポン地面に叩きつけてみたり、民家の壁にぶつけてみたりしたのだが、ソレが一体なんなのかよく分からなかった。